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eoe後使徒化+女体化したシンジ(=碇レンorシオン)が別世界にトリップした設定のクロスネタがメインの二次創作サイトです。碇レン最愛で最強。クロス先のキャラとのCPが基本。 現時点で単品で取り扱いがあるのは深淵と鰤とrkrn。深淵と鰤は主人公総受け、rkrnはきり丸中心です。
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*『月色のお伽噺』(碇レンinNARUTO:スレナル×レン)の終了後、さらに転生トリップしたレンのお話

*転生先がエヴァンゲリオン+復活の多重クロス世界設定

*『月色~』の人間関係引き継ぎで、ねつ造幼馴染だった惣流アスカ(♂)とうちはイタチも一緒に転生

*転生先でレンは碇家長女として生まれます。
*シンジの一つ上の姉です。

*碇ユイ死後、レンの手回しによりレンとシンジは並盛の沢田家に居候

*他詳しい設定はネタ設定メモをご覧ください。

*ありえないくらい捏造設定を盛り込みますので、くれぐれも設定をお読みのうえでご覧ください。
*苦情批判は受け付けません。


*ネルフ、ゼーレ、ボンゴレ、マフィアには基本的に厳し目です。
*ネルフ側所属人員の何人か及び復活キャラも何人かには厳しい対応もあるのでご承知おきください。




くどいようですが、苦情も批判も受け付けません。
設定はきちんと読んで、傾向を把握してからご覧ください



*連載擬きですが、実際は連作の短編です。
*設定等はつながってるように書くつもりですが、思いついた順番に時系列が前後してバラバラに投下します。






 


ぱちり、と目が覚めた。

ああ久しぶりにすごく寝たな、と実感するくらいすっきりと目が覚める。


同時に、ここ数十年間で自身に叩き込んだ自制心でも制御しきれない程の混乱に見舞われた。

 

 

「ぅあぁうう?!!!(何で?!)」

 


・・・・思わず驚愕を言葉にしようとして更なる混乱の元にも気付いてしまったが。

 

「あぶぅ!うあ!!(はっ!?なん、で?)」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「まぁ!やっと起きたのね!
 よかったわ、ああ、早くゲンドウさんにも知らせなきゃ!
 愛しい娘がやっと目覚めてくれたんですもの!!
 その前に、本当に異常がないかチェックを・・・」

 

そして、目覚めた瞬間視界に飛び込んだ光景に混乱して思考を空回りさせているレンとは感情の種類が違うが、程度は同じくらいの驚愕を露わにして朗らかに笑う女性が一人。
薄暗い部屋で、いくつものモニターと精密な機械類に囲まれた只中で、大きな円柱型の水槽の中を覗き込んで喜びの声を上げている。
優しく慈愛に満ちた微笑みで水槽を覗き込みながら、素早く動く手元は狂うことなく必要なデータを採取するための指示を打ち込み続けている。
水槽を・・・その中に満たされた赤い水に浮かぶ、乳幼児の姿を喜びと慈しみの視線で見つめながら、小さな体に繋がれたいくつものコードやチューブ
を次々と作動させ、モニターに映るデータを冷静な瞳で読み取る。

 

一年前に生まれた我が子。人類補完計画の為の激務が祟ったのか、早産で生まれた所為で未熟な体、出産時に心停止を繰り返して死にかけた子供。
懸命の救命処置で生き延びたが、今の今まで一度も目覚めることのなかった娘が、一年後の今日目覚めたのだ。これが嬉しくないわけがない。
モニターと水槽を交互に見比べる女性-碇ユイは喜びに頬を紅潮させて声を弾ませる。

 


「あらあら、これは素晴らしいデータね!
 細胞の融合度99.89%、拒絶反応無し、身体能力は・・・さすがにこの状態では測定しきれないから、」

 

同時に、予てより温めていた補完計画に必要な”福音”のパイロットを生み出すための技術を、目覚めぬ我が子に施したのは、何としてでも子供を生き延びさせたい母としての想いと、
己が人生を賭けているといっても過言ではない計画成功の為になりふり構わぬ研究者としての執念が合わさった末の決断だった。

その処置が実を結び、眠り続けた子供は目覚め、施した術式は子供の体に拒絶されることなく馴染んでいることが確認できたのだ。
本当に施術が成功したのかはこの子を実際に”福音”に乗せてみないとわからないが、ここまで違和感なく子供が起きて生体活動を行えているのなら八割がた成功するだろうと踏んで研究者としての
喜びが上乗せされて更にユイの笑みが輝いた。


「ふふ、おはよう。お寝坊さんね。でもよかったわ、元気に目覚めてくれてとても嬉しい。
 そして、おめでとう!これであなたは、人類の生きた証を残すための、礎になれるのよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・(ああ、そうか)」


レンは、赤い水越しに見えた母の顔をじっと見つめて、一つ嘆息した。
実際には只の呼吸と混じって微かな気泡を立ち昇らせただけだが、その内心を支配する落胆と諦念は先ほどの混乱による高揚を沈めるのに十分すぎた。

 

(ここは、・・・・あの時代かぁ。)

 


”碇シンジ”が世界を滅ぼしながら死んで、”神の器”として長らえて、”碇レン”として異世界で生きて。

 

(家族や仲間を看取って、しばらく休むだけのつもりで魂ごと半封印して眠ってみようとしただけだったんだけど)

 

視界を覆う赤い水は、懐かしすぎる感触を脳に伝える。体中に繋がれたコードやチューブも、あの時代に体験したよりも数が多いが、概ね感触は変わらない。

 

(これは、あれかなー。寝てる間に世界が滅ぶかどうかしてまた異世界・・並行世界?に飛ばされたか・・・木の葉の里で生きた記憶が・・・・・私の、妄想、だったりしたんだとしたら・・・
どうしよう、かなー)

 

単純に”碇シンジ”の時代に戻ったと考えるには、視界に映る碇ユイの言動に違和感を感じすぎる。
”過去”のあの最後の時に、碇ユイの記憶は殆どすべてを見た筈だ。まあ、人一人分の一生を細部まで見切って記憶しているかと言われれば否定するしかないが。

 

 


(・・・”愛しい娘”ねぇ・・・・”碇ユイ”の娘・・・・また、かぁ。これが転生する前提条件なのかなぁ?まだ二回目だから断言は無理だけど)

 


少なくとも、覚えている限り”碇シンジ”だった時代の母の子供は自分一人だったはずだ。
転入その他の手続で戸籍などを見たときにも、死亡した兄弟などの記述はなかった。
ならば、またこの世界も、異世界で・・・・・己を包む赤い水--LCLがあるならば、ここは、”碇シンジ”の生きた世界と同じ、使徒とエヴァンゲリオンが存在する世界なのだろう。
だが”過去”とは違う箇所のある別の過去の時間軸・・・いわゆるパラレルワールドというやつなんだろう。

 

(厳密には違うかもしれないけど、そこまで詳しく考察する必要なないよね。
 ・・・・・こうやって、目が覚めて、存在しちゃった以上は、取りあえずやることは、一個かな)

 

本当は、深く考察するのが怖いのだ、という本音は、内心の呟きであっても言葉にしたくなくて思考をそらした。
今のレンが、自分の過去だと認識している、”木の葉の里での記憶”が、本当にただの妄想だったりしたら、なんて。

 

(今、考えなきゃいけないのは、一個だけだよ。)


LCLに遮られた不明瞭な視界に、碇ユイの笑顔が映る。こぽこぽと規則正しい気泡の音と共に、高揚した碇ユイの喜びの声が鼓膜を揺らした。

 

(「補完計画」なんて、必要ないよ。・・・・そんな独善的な計画なんて、許さ、ない。

 あんな、赤い世界なんて----二度と、いらない、よ。・・・・だから、)

 

こぽり、と気泡が僅かに乱れた。
ごぼ、り、と水音が増して水位が下がっていくのを上目づかいで見守る。
一通りデータをとって満足したらしい碇ユイが、今度は優しい母親の表情で我が子を迎えるべく水槽の水を抜き始めたのだ。

 

(ああ----、まず、は)

 

「おはよう、寝坊助のかわいい子。起きてくれてありがとう。
 こうしてあなたと会えて、嬉しいわ。」

 

優しい声と、暖かな腕に包まれる。
そうっと慎重に用意された湯桶に入れられて、きれいに洗われながら、レンは間近にある母の顔を見上げた。

 


「ふふ、気持ち良い?・・・愛しているわ、私の--」

 


慈愛に満ちた母の表情。冷静にレンを観察する研究者の瞳。
そのどちらも矛盾なく内包させて尚、聖母のように、女神のように、清らかで平等な愛を振りまくのが碇ユイだ。

 

「ああ、ゲンドウさん見て頂戴!やっとこの子が目覚めたの。」

「ああ、疲れただろう、ユイ」

「いいえ!愛しい我が子の為ですもの。この子が起きてくれただけで疲れなんか消えてしまったわ」

「そうか」

 


ユイの肩越しに新たに現れた若いゲンドウの顔を見上げる。
ふふ、とレンは笑う。異世界、並行世界、過去の世界。呼び方は何でもいい。

 

(おんなじ、に見える、なぁ。おんなじに見えるけど、違う人間。
 違う人間だけど、どこまでもそっくりな”父さん”と”母さん”。)

 

内心で溢したのは嘲笑に近い皮肉気な哂いだったが、表情に表れたのは赤ん坊らしい無邪気な笑みだった。
優しげに細められたユイとゲンドウの瞳を見上げて、自分自身の表裏の乖離具合にも笑いが漏れた。


(今の二人が、私を、二人にとっての子供を愛してくれてるのはわかってる)


それでも、ユイが補完計画と人類の生きた証を残す野望を諦めることはありえないし、ユイが目の前で消えてしまった後のゲンドウが採る手段を放棄することはありえないことも理解していた。

 

(最初から決めつけちゃう私も十分勝手だとは思ってるよ。けど、)

 

あの赤い海を二度と見たいとは思わないから。

 


(私が選ぶのも一個だけなんだよ。・・・・あ~あ、本当に、碇家の人間は碌なのが居ないね。)

 


結局は、お互い様なのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

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