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eoe後使徒化+女体化したシンジ(=碇レンorシオン)が別世界にトリップした設定のクロスネタがメインの二次創作サイトです。碇レン最愛で最強。クロス先のキャラとのCPが基本。 現時点で単品で取り扱いがあるのは深淵と鰤とrkrn。深淵と鰤は主人公総受け、rkrnはきり丸中心です。
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思いつき小話です。

・コクトーが平和に死神してるパラレルです。

・九番隊平隊員コクトーと死神代行一護のある日の会話


・・・・・・・・コクトーのナンパとも言います。(原作様のコクトーは潔くログアウト。物凄い夢見て良い人コクトーです)

でも、ひっそりと全方位に薄情なコクトー。例外は妹と一護だけっていう。

・・・・・・・こんな感じでパラレルで二人が仲良くなったら、良いかもっていう、そんな感じで。







 

 

 

 

 

 


堕ちた。

 


その華奢な体躯からは想像も出来ないほどに力強い斬撃に。
荒んだ戦場の空気を塗り替えてしまうような、清浄な霊圧に。
戦いが終わって、仲間の無事を確認した瞬間に零れた屈託のない笑顔に。


全てを包み込んでしまいそうなほどに大きな霊圧なのに、周りを安らがせるような暖かな力に。
言葉を交わしてみて目の当たりにした、素直すぎる感情の発露と、心を穏やかにする柔らかな雰囲気に。


様々な陰謀渦巻く瀞霊邸の中ですら、鮮やかに映える鮮烈な萱草色の髪が視界に焼きつく。



手に入れたいと、思った。


 

・・・多分、これが恋に堕ちるという事だと、思ったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


「よお。アンタが噂の死神代行か?」


「そう、だけど・・・誰だ?アンタ」

 


代行業の報告書を出した後、丁度昼時だったので何か食べに行こうかと思案していたところで、突然後ろから声をかけられた。
死神代行になってから、知らない死神に声をかけられることも少なくなかったので、またか、と思いつつ一護は振り返った。尸魂界では現世の様に生来のものである明るい髪色や常に顰められている無愛想な表情を上げ連ねて倦厭される事はない。だが、ルキアを助けるために侵入した際に、幾人かの隊長や上位席官を戦って生還した事が知られているらしく、誇張された噂の真偽を確かめようと、負の感情を持って関わりを持とうとする輩も居るのだ。
だから、つい見知らぬ人間から声を掛けられると反射的に顔を顰めてしまう癖がついてしまっていた。その癖が、相手の悪感情を加速させてしまう原因にもなっていると理解はしていたが根が正直な一護は中々改善できずにいるのだ。今も、ついぶっきらぼうに返してしまってから、失敗した、と思った。ルキアにも良く注意されていたのに。
 


「悪ぃ悪ぃ。俺ァ、九番隊のコクトーってんだ。」


「・・・黒崎一護だ。」


「一護か。良い名前だな。」



だが、相手の死神・・・コクトーは一護のそんな態度など気にした様子も無く、からり、笑って自己紹介をしてくれる。一護は、コクトーの明るい笑みに、尚更己の子供染みた態度を後悔したが、上手い取り繕い方も思いつかずに、端的に名前だけを答える。言ってから、何時もの癖で名前の注釈をつけようとして、それより早くコクトーが朗らかに言った言葉に目を丸くした。


 

「・・・ありゃ、すまん。名前の音が違ったか?」

 


大抵の人間は当たり前に「苺」という字を当てはめてくるのに、コクトーは一度で正しい発音で呼んだのだ。それに驚いて反応が遅れただけなのだが、コクトーは自分が間違えたのだと思ったらしく、困ったように眉を下げて一護を見下ろしている。


 

「や!違う!あってる!」


「・・はは、どっちだよ」

 


名前を正しく呼んでくれた事に対する嬉しさと、コクトーに勘違いさせてしまった焦りで口にした言葉は端的過ぎて、字面だけでは否定なのか肯定なのか曖昧なものになった。コクトーはきちんと意味を理解してくれたようだが、一護の慌てぶりがおかしかったらしく、笑みを深めている。


 

「・・・・一護、であってる。」


「そーか、そりゃ良かった。」


「ありがとう。大抵の奴らは最初果物の苺と間違うから、びっくりしただけだ。・・よくわかったな?」


「どういたしまして、か?礼言われるこっちゃねぇけど・・・一護が名乗る時の声ちゃんと聞いてりゃわかんだろ。」


「///、そ、うか?・・・でも、嬉しかったから。」

 



正しく呼んでくれて誉められたのだから、と礼を口にすれば、コクトーは苦笑して髪を掻き上げている。

良く間違えられるからと、殊更強調して発音しても間違う輩は多いのだ。だから本当にコクトーの言葉が嬉しくて、一護の口元が綻んだ。更に一護が名前をいう時に心持丁寧に言葉を発する理由にも気づいたらしく、付け加えられたコクトーの台詞に一護の頬が僅かに紅潮した。
滅多にない位素直に表情が明るくなる。そんな表情をすると、母譲りの美貌と少年らしいシャープな印象が合わさって中性的な雰囲気になる。普段は容貌は整っているが普通の少年、という感じだが、こういうときの一護は、女性的でも男性的でもなく、ひたすら”綺麗な”空気を纏うのだ。

その変化を目の当たりにしたコクトーは密かに息を詰めた。



「、っ、そーか。なら、折角の言葉はありがたく頂戴するぜ。」


「おう!・・・・って、くすぐってぇよ!子ども扱いすんなって!」


「悪ぃ悪ぃ、つい撫で易い位置に頭があるもんだからな」


「そりゃ俺がチビだって言いてぇのかよコクトー!」


「言ってねぇよ、んなことぁ。何だ気にしてんのか?
 心配しなくても、お前ならまだ伸びんだろ。」



「だよな?!お前良い奴だな!・・・・ったく恋次や檜佐木さんも見習えってんだ。事ある毎にからかいやがって・・・」



それを誤魔化すかのように冗談めかして一護の頭を軽くなでる。
この数分の会話で既にコクトーに心を開きかけている一護は、それを嫌がることなく軽い笑い声をたてて受け入れる。更には軽口まで返して屈託無く笑っている。


 

「(こーしてると只の餓鬼なのになぁ)・・・なあ、それよりそろそろ昼時だろ?良けりゃ一緒に飯でもどうかと思ったんだが」


「え、良いのか?」


「おう、ってか駄目なら最初から声掛けねぇよ。どうだ?」


「俺も丁度昼飯に行くところだったんだ。じゃあ、お言葉に甘えて一緒に行って良いか?」

 



先ほどの綺麗過ぎる空気が霧散して、年相応の表情で笑う一護を見下ろしてコクトーは苦笑した。どちらも一護の一面には違いないが、どちらにしても他者を惹きつけてやまないことだろう。そんな事を考えながら誘いを掛けると、一護は遠慮しつつも肯いてくれた。


以前から噂に聞いていた死神代行の少年に興味があった。といっても、他者に関心を持たない自分が珍しく一護の姿を見かける時に存在を認識する程度だったが。
それが変わったのは、偶々一護が尸魂界に来ている時に発生した虚の大量発生の処理に駆り出された時だ。
その時手伝いにと九番隊副隊長と共に戦場を駆けた一護を見たとき、明確な意思でもって直接話をしてみたい、と思ったのだ。あの鮮やかな少年は、どんな風に話したり笑ったりするんだろう、と。
だが、コクトーは只の平隊員で立場上隊長や上位席官と親しい一護に余人のいる場所で声を掛けるのは気が引けた。・・・まあ、上司への遠慮、というより、目立つことに拠る弊害を面倒くさがっている、というほうが正しいが。藍染隊長らの反逆の報を聞いた時すら、席官なんかにならずに居ておいて良かった、としか思わなかったくらいだ。上司への配慮くらいで、本気で興味を持ったことを遠慮したりするわけがない。相手が隊長だろうと本気で我慢できなければ、正面から一護を掻っ攫う位する。単に、そこまでする必要を感じる程には、まだ興味が無かっただけである。その証拠に、今回の会話で初めて正しい一護の姓名を知ったくらいだ。機会があればその内話しかけてみるか、位の気持ちだったのだ。


が、常に誰かしらに構われている死神代行が珍しく一人で居たのだ。これは好機だと考えて早速話しかけてみたのだが、少しの時間だけでも己の心が一護に傾いていくのを感じる。基本的に妹を除いた他者には必要以上の接触を持とうとせず、去るものを追わない淡白な性質だと己を分析していたのだが。



「勿論。お前、可愛いなァ」

 


コクトーから誘っているのに、改めて一緒に行く許可を得ようと問いかける一護の律儀さに口元が綻んだ。本心からそんな一護に感じたことを言葉にして、緩んでいるだろう己の顔を隠すように髪を掻き上げる。
だから、コクトーの言葉に次の表情を決めかねて俯く一護の頬が、限界まで赤く染まった瞬間を見損ねてしまった。



「/////・・・か、わいくねぇよ!(赤くなんなよ俺!)」

 


一護は俯いて悪態を吐きながら、こっそり頬に手を当てて必死に熱を冷ます。
コクトーに他意はないとわかっているが、こんな風に真正面から誉められなれていない一護は照れを隠せない。それでも意地で頬の紅潮を押さえ込んで、顔を上げなおした。


こうやって正面から向き合うとわかるが、長身揃いの知人の死神達に比べても更に背が高い。目を見て話そうとすれば首をずっと上向けて居なければならず、少し羨ましい、と思いつつコクトーを見上げる。

頬の赤みは押さえ込んだが、それでも少し気まずくてコクトーの深い紫色の瞳から微妙に視線をずらした一護の目に雪白の髪が映る。上向いた分広がる視界の大半を占める明るい空に、コクトーの青紫を帯びた明るい灰色の髪が映えて風花を連想した。掻き揚げた拍子に揺れた髪が光に透かされて、明るい灰色が雪のような白銀に見えるからだろうか。

純粋に綺麗だと思って見ほれるが、先ほどの自然すぎるコクトーの台詞と合わせて面白くない結論を得てしまう。



「・・アンタ、女の人にもてるだろ。」


「は?何を突然。んなわけねぇだろ」

 


この一護の台詞には本気で疑問を抱きつつコクトーが答える。なんでそんな言葉に繋がったんだ?

 


「(・・・そう、なのか・・・なんで、安心してんだ、俺は?!)」



対する一護は、自分で口にしながら、言った瞬間少し気まずくて口がへの字になった。だが間髪入れずに即答したコクトーの言葉に今度は口角が上がる。そして無意識に呟いた自分の台詞に混乱して首をひねる一護。素直すぎるほど正直に表情が変わって行く。そんな数秒間の百面相を目にしたコクトーは首を傾げた。



「(面白ぇ奴。)・・・まあ、良いか。じゃあそろそろ行こうぜ。早くしないと何処も満席になっちまう。」


「あ、おう!じゃあ、行こうぜ!俺も腹減った」


「店は俺の行きつけで良いかぁ?」


「美味いんなら何処でもいいぜ」


「それは保証する。」


「ならそこで。」


「こっちだ」

 

 


当たり前の様にコクトーに腕を引かれて、鼓動がはねた。
僅かに身体の動きが鈍ったが、少し振り返って微笑んだコクトーの表情に強張りが溶けた。


不自然な自分の反応に首を傾げる一護は気づかなかった。



自覚しないうちに、自分の心が堕ちたこと。



見上げると空を背景に揺れる雪白の髪が綺麗だと思う理由とか
からりと笑うコクトーの声に、緊張と安堵を同時に感じる理由とか
自分の頭をなでた大きな掌を視線で追いかけてしまう理由とか

背が高い分速いはずの歩調が、自分に合わせて緩められている事に気づいた時に胸が温かくなった理由とか

そうやって隣を歩いていたのに、ちょっとした人ごみで通りかかった荷車から庇うように前に出たコクトーの広い背中に触れたくなった理由とか



ちょっとした瞬間に意識を奪われて、そのたびに一喜一憂する自分の心のあり様も


何一つ、気づけてはいなかったけど。



ただ、少し歩みが遅れてしまった一護を振り返って笑うコクトーの深い紫色の瞳に、ずっと自分を映していられたら、きっととても幸せだと。



そんな風に考えてしまった自分の思いつきに、本当に不思議そうに首を傾げた。

 





 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 












 

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