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以前ちょろっと呟いてた一護隊長子育て編の設定で、藍染裏切りの場に居たのが、一護隊長、朔護(白崎)副隊長、碇三席だった場合、な小話。
以前のネタでは実際育てた子供の名前出しませんでしたけど、あれ、実は山本総隊長のことでした。
二代目総隊長から頼まれたって下りで、時代を担う優秀な死神を当時最強の死神だった一護に託した、という話のつもりで書いてみた序章だったんですよね。
今回投下した小話にそれが分かる会話はないですが、まあ裏設定はそんな感じですと。
鮮血が舞った。
鮮やかな萱草色が真紅に染まって、力なく地に落ちる。
「私が天に立つ」
藍染が、同僚の友人の部下の、説得や詰問の全てを嘲笑で斬り捨てて、宣言した。
その瞬間、ひっそりと零された三人の笑い声に気づくものは無い。
戦いの後に荒れた双極の丘が、光に満ちる。
裏切りを、己の野望を明かした藍染が、腹心二人と、本来死神の敵である大虚の群れを従えて天に昇る。誰もが悔しさに、悲しみに、怒りに、憎しみに、支配され、為す術も無く藍染たちの逃亡を見送るしかない。
その時
「・・・・・朔、レン。許す。----捕らえろ。」
「「御意!」」
パキン、と澄んだ音が響く。
まるでガラスを割ったかのような音を立てて、不可侵のはずの光の膜が、割れた。
「「「「「なっ?!」」」」
「残念だなぁ?テメェらのくだらねぇ野望とやらは、此処で終いだ!!」
「失礼」
地上を見下ろして高らかに野望を謳った三人の背後。
空を切り裂いて此方を覗く大虚と、裏切りを明言した元隊長三人との間。
不可侵の光の膜に守られていたはずのその場所に、ほっそりとした影が二つ降りる。
下から見上げるしかなかった死神たちの視線を追う様に、三人の裏切り者達が背後を振り返ろうと、した。
「・・・貴方方がどんな野望を持っていても、私には関係ないのですけど」
新たに天上に現れた内、小柄な方が優美ともいえる動きで身を翻し。
「・・・・だが、テメェらは、俺達の王を傷つけた。」
もう一つの影が、身の丈程もある真白の刃を振り上げ。
「「・・・・それだけは、許しません(せねぇ)」」
凛、と涼やかな声が場に響く。同時に。
「な?!」
「大虚が・・・・?!」
「・・・馬鹿な!」
目の前で起こって尚、事態が把握しきれずに呆然と空を見上げていた死神たちの驚愕の声が轟く。
空の裂け目の向こうに蠢いていた大虚達の群れが、一瞬後、一匹残らず消滅したのだ。
藍染たちの背後に降り立った二人の放った斬撃が、全ての大虚を切り裂いたのだと、理解できたものは何人いただろうか。藍染たちが乗っていた反膜の柱を足場に利用して高く飛び上がった影は、近くに居た大虚を真白の刀身から放った斬撃で切り裂き。もう一人の影が、一瞬で弓へと形を変化させた斬魄刀から数多の光矢を放ちながら、一音の詠唱すら無く組み立てた鬼道で残りの大虚を焼き払って見せたのだ。
感嘆すら浮かばぬほどに鮮やかな手並みで、視界を覆っていた敵を消失させた影の一つが、ふわり、と地に降り立った。
「よそ見してる場合か?」
「何?!」
「しまっ、」
「あ~ぁ」
地上の動揺など知ったことではないが、藍染自身にとっても想定外の事態に、流石に余裕が揺らぐ。目前の光景を脳が処理し、先ず何をすべきか、と思考を巡らす。コンマ一秒にも満たないはずのその一瞬の空隙。
だが、確かに抱いてしまった予想外の事態への狼狽が作った一瞬の隙に、藍染の耳元で、年若い少年の声が、冷徹に囁く。それが誰かと思考するよりも早く、敵の存在を認識した藍染は反射的に斬魄刀を抜きかけるが、遅い。
策略を用いてとはいえ、純粋な戦闘能力でも護邸13隊中の全隊長を遥かに凌ぐと自負していた藍染の自信ごと打ち砕くかのような衝撃。痛みすら知覚する間もなく、藍染の視界一杯に荒れたままの地面が迫る。いや、己の体が、地に向かって叩き落とされたのだと、理解する。
東仙、市丸は斬魄刀に意識を向ける余裕すらなかった。
周囲を守っていた反膜同様に、足場となっていた光の柱すら破砕されて、おのれ等の背後を陣取った影の斬激が三人を纏めて地に叩きつけたのだと理解できたのは、地面に伏した体がようやっと激しい痛みを知覚した後だった。
指一本動かす事敵わぬ程に強力な鬼道の拘束を受け、それ以上に身を苛む激痛に呻くしかできない三人の前に、鮮やかな影が現れた。
「・・・・・反逆者、藍染惣右介、東仙要、市丸ギン。お前たちを捕縛する。」
その影は、鮮やかな萱草色の髪を靡かせて、威風堂々と立っていた。
血に汚れた死覆装を纏ってすら、その威厳は蔭ることなく。
そこに居た誰よりも、力強く場を圧倒する覇気。
「いち、ご・・・!」
「あれは、」
「旅禍の、少年?」
「一護!」
「どういう、」
「黒崎、隊長・・・・・?」
ゆるり、と首を巡らせた人物の顔を見て、今度こそ驚愕の悲鳴が満ちる。
信じ難い出来事の連続に、只管驚愕と狼狽を重ねるしか出来ない死神達が口々に疑問を吐き出す。
だが一人だけ、明確な答を持った上で、驚愕を顕にした人物が居た。
普段の彼をを知るものならば耳を疑うほどに、頼りない声で落とされる呼びかけ。
その声をきちんと拾い上げ、穏やかな琥珀の瞳を向ける少年。
「----ああ、久しぶり、だな?・・・・山本。」
「な、本当、に」
「はは、俺以外の誰かに見えるのか?」
驚愕の面持ちを顕にして、声を絞り出したのは総隊長の山本だった。
答える少年・・・紛れもなく、ルキアの処刑阻止の為に不法侵入したとして旅禍として追われていた、黒崎一護だった。現世での一護を知る死神勢が、疑念を含んだ視線を往復させる。中でも、重傷を負いながら意地で意識を保たせていた恋次とルキアの狼狽は激しい。だから、本来ならば同様に混乱に陥る筈の現世の住人たちが驚愕しつつも酷く落ち着いて事態の推移を見守っていることに気づくものは居なかった。
「山じぃ?」
「総隊長?」
「なんだ、山本も元気そうじゃねぇか。」
常に総隊長としての威厳ある姿勢を崩したことのない恩師の姿に、疑問を含んだ声で呼びかける浮竹。驚愕は感じつつも、冷静さを保っていた卯の花の声に被さって、新たな声が増えた。
視線が集中する先には、全身が何処までも白い少年--色彩を異にすれば一護と瓜二つの少年が皮肉気な笑いを浮かべて立っている。
「朔護副隊長?!」
「本当に。」
「碇三席?!貴方まで?!」
更に驚愕して白い少年を見つめる山本。朔護の台詞に答えた少女の名前を呼ぶ声は、殆ど悲鳴に近かった。
「落ち着け、山本。先ずは罪人の拘束と、怪我人の治療が先だろう。・・まあ、大きな怪我は治療が済んでいるが。」
「なんですと?」
「あら、山本隊長、私の能力をお忘れですか?」
「碇三席、」
混乱を極める場を収めようと、一護が苦笑と共に山本総隊長に声をかける。未だに狼狽を滲ませる山本に答えたのは碇三席と呼ばれたレンだ。言われて視線を巡らせれば、満身創痍で倒れ伏して居た者たちもいつの間にか穏やかな寝息を立てて静かに眠っているようだ。細かい傷はあるがほとんどかすり傷のような小さなものだけだ。休養は必要だろうが、後は疲労の回復さえすれば健常体に戻ることが出来るだろう。・・・レンの卓越した鬼道の実力あってこそ可能な複数人の同時治療だ。死神達が空の敵を一掃して地に降りた後のレンの動向から気を逸らしていた間に、怪我人の救護を行っていたらしい。
「相変わらず突発事項に弱いんだなぁ?」
「朔、やめろ」
「へいへい。上司の命令は絶対だからな。」
にやにやと笑って混乱を面白がる朔護が山本をからかう。
苦笑でたしなめた一護に業とらしく優雅に一礼して従って見せるが、表情は玩具を面白がる子供のままだ。
「・・わかりました。黒崎隊長。落ち着いたら説明を、お願いできますね。」
「ああ。勿論だ。俺が分かることならば、何でも答えよう。」
ってな感じで、黒崎隊長達が尸魂界に生存を知らせてみたり。
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