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eoe後使徒化+女体化したシンジ(=碇レンorシオン)が別世界にトリップした設定のクロスネタがメインの二次創作サイトです。碇レン最愛で最強。クロス先のキャラとのCPが基本。 現時点で単品で取り扱いがあるのは深淵と鰤とrkrn。深淵と鰤は主人公総受け、rkrnはきり丸中心です。
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一護元隊長達が、藍染の企みを叩き潰した後の事情説明とか(説明場面は飛ばしましたが)

地獄勢の死神パラレルルート、の前振り

レンと山本総隊長の昔語り、みたいな感じで



 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「----と、まあ、俺の知ってたことはこん位か?」
 

「そう、ですか。・・・わかりました。ありがとうございます黒崎隊長」

 

 

反逆者の捕縛後、何やかんやと後始末に奔走してやっと落ち着いたと思ったら直ぐに開催された隊主かいにて、一護は落ち着いた口調で知る限りの情報を開示した。途中各々からの質問を受け付けながらだったので時間がかかりはしたが、元々一護のほうも尸魂界の現状に詳しいわけではない。レンが動向を見張っていた王族や46室の様子から推測された幾つかと、浦原達から聞いた情報をつき合わせて繋いだ推測のようなものだ。全てを語っても半刻程度で話は終わる。後はこれからどうするか、という話し合いに移るべきだが、


 

「して、黒崎隊長、これからの事ですが」


「その前に、山本、お前今は総隊長なんだろう。だったら俺に敬語を使うのは止せ。今の俺はただの人間だぜ? 護邸に籍も持ってない一般人に、最高責任者がそう下手にでるのはな。」


 

一護の話を聞き終えた山本が丁寧に一礼してから話題を移そうとした。
だがそこで一護が苦笑しながら言葉を挟む。


再会してからずっと気になっていたのだが、その馬鹿丁寧な口調は何とかならないものだろうか。

 


「そうは申されても、私にとって貴方は尊敬すべき隊長です。対等に会話しようなどそのような無礼な事できません。」


「だけどなぁ」



しかし山本はきっぱりと首を振る。一度言い出したらてこでも動かない頑固者の本領発揮か。
別れたときにはまだまだ幼さの残る青年だったのだが、外見もそれなりに年を重ねて老獪さを磨きぬいたらしい。昔なら数秒で陥落していたはずの一護の困りきった笑みを目にしても、必死に表情を保つ。

山本と一護の会話にはどうしても気後れして口を挟めない周りの隊長達は困惑に満ちた視線を交し合っている。

 


「えと、山じぃ、黒崎、隊長がそう仰っているなら、いいんじゃないの?」

 


だが、このまま場が停滞した儘でも困る。意を決して京楽が、恐る恐る言ってみる。途中で一護の呼称をどうするかと目を迷わせるが山本に習って隊長と呼ぶ事にした。


 

「京楽さん、だっけ?アンタも無理に隊長ってつける必要ないぜ?さっきも言ったけど、今の俺はただの一般人だし。他の皆も、なんなら一護って呼んでくれよ。黒崎だと朔護と被るから」


「いやでもねぇ」


「そういわれても・・・」

 


朗らかに言われても京楽は口ごもるしかない。思わず親友の浮竹と顔を見合わせて二人で苦笑する。本人が良いといっていても、京楽たちの恩師である山本が敬意を表す相手に、そんな気軽に接するわけにはいかないだろう。


 

「・・・・ああ、もう面倒くせぇな。おい、山本。これは命令だ。
 俺たちに敬語を使うな。呼ぶときは名前で普通に呼べ。良いな?」


 

呆れきった溜息を零して朔護が口を挟んだ。頑固な山本に言うことを聞かせたいなら、無理に押し切ってしまえば良いのだ。どうせ最後には一護の言うことを拒みきれないと分かっているのだから、時間を掛けるだけ無駄である。さっさと決着を着けさせて面倒ごとを終わらせてしまいたい朔護が威圧する。一護を挟んで反対側に座っていたレンも困ったように笑って口をひらいた。
 


「そうですね。山本隊長。私達を呼ぶときは名前で、敬称はつけず普通にお話してくださいね?
 何度も言いますけど、今の私達は引退済みの一般人で、本来なら此方のほうが貴方方に畏まらなければならない立場なんですから。」


「それだけはお止めください!お三方にそのようなことさせられません!」


「なら、貴方も、普通に話してください。」


「いえ、それは、」


「山本隊長?」


「・・・・そ、の」


「山本」


「しかし、」


「・・・・・・重國。」


「はい !」


「これは俺たちの総意だ。敬語は使うな、普通に呼べ。・・・いいな?」


「は!・・・・は?」

 



穏やかに笑いながらのレンの台詞に悲鳴交じりの抗議をした山本総隊長の姿に、享楽や浮竹が唖然とする。
そんな周りなど既に視界にないらしい山元が困惑を滲ませた視線で一護達を見返して口ごもる。レンと朔護に名を呼ばれるが、迷うように口を開閉するだけでやはり了承の言葉はでない。
ここらが潮時だろうと、遂に一護が重々しく下の名を呼ぶ。その声音に反射的に背筋を伸ばす山本。レンと朔護が視線を合わせてこっそりと笑う表情に気づかず、一護の視線を受け止める。言葉の内容を吟味するよりも早く歯切れの良い返事を返してしまった。

 


「じゃ、そういうことで、俺たちは一護、朔護、レン、でよろしくな。
 あんた達も、そう呼んでくれな?」


 

一瞬置いて間の抜けた声を発した山本を軽やかにスルーした一護が笑いながら、事態を見守っていた面々を見回して告げた。先ほどまで、どれもこれも初めて見た厳格な恩師のうろたえる姿に唖然としていた享楽や浮竹、山本を恩人と仰ぐ狛村や、現隊長格の中でも古株で常に泰然とした姿勢を崩さぬ卯の花、冷静沈着の代名詞とすら評される朽木白哉すら抑えきれぬ笑いに口元を隠している。必死に声を上げることだけは耐えているがそれも時間の問題だろう。震える肩を誤魔化すように、空咳を繰り返す日番谷や砕蜂を尻目に、剣八は既に大口を開けて爆笑しているのだから。唯一様子が変わっていないのは、12番隊隊長のマユリくらいである。

 



「はははは、君面白いねぇ。流石の山じぃも形無しかぁ」


「京楽!」


「こりゃ失礼」

 


朗らかに笑ったまま享楽が、一護に親しげに話しかけるのを見て微かに耳が赤い山本が厳しい声で呼ばわる。だが学生時代から付き合いのある恩師の怒声など聞きなれている享楽は堪えた様子もなく肩を竦めるだけだ。



「山本ぉ、照れくさいからって八つ当たりすんなよ。お前が一護に勝てるわけねぇだろ?」


「朔護副、・・・朔護、殿。そのようなっ」


「落ち着いて、皆さん初めて見る貴方の姿に驚いてしまっただけですよ。」


「いか、・・いえ、レン、殿。」



にやにやと皮肉気に笑って茶々を入れる朔護に、支えながらも言葉を返すが、レンにまで宥められてしまう。

 


「・・・・わかりました。では、次の議題に移りたいと思います。
 まず、黒、・・いえ、一護、殿達は、これからどうなさ、・・・所在をどうするかだが」


 

一つ咳払いをして、やっと表情を戻した山本が言いにくそうにしながらも、先ほど出しかけていた話題に戻す。穏やかに緩みかけていた空気が、厳格に引き締まり、其々も姿勢を正して総隊長へと視線が集中した。


 

「それについてなのですけど」

 


そこで、今まで一護の後ろで静かに控えていたレンが、珍しく口火を切った。

 


「いか、・・レン殿、何か」

 


未だに言いづらそうな山本に少し微笑んでから、レンは一護に視線を移して続ける。

 


「私達も、まだ決めかねているところなので少し時間をいただけますか?
 三人できちんと話し合ってから報告をするということで。・・・それに、そろそろ一護と朔護を休ませたいんです。」


「「レン?」」


「ああ、そうですね。でしたら、お三方の今後については後日ということで、皆のもの、良いな?」

 

 


レンの台詞に、山本も肯く。深く考えずとも、先程説明された霊印解除の条件を合わせても、一護には明らかに休養が必要だろう。山本や居並ぶ隊長達には分からないが、レンがこの場ではっきりと二人の休養を断言するということは、二人の体力の限界が近いということだ。一護達の関係をある程度理解している山本はそう判断してあっさりと隊主会の閉会を告げた。
元々今回の主目的は一護達のしる事情を開示してもらうことだったのだ。反逆者達の今までの動向やこれから先の処分については、調査や尋問を経て裏づけをとれた後に話し合うことである。再開されると思った話し合いに緊張を高めた面々は出鼻を挫かれたことに面食らったが、総隊長の判断に異を唱えはしなかった。



「え、は?何言って」


「おい、レン」


「と、言うことで、二人とも?直ぐに屋敷に帰って寝てきてくださいね」

 



一番困惑しているのは、休養を進められている二人である。
多少不可解な面持ちの者もいるが、列席していた隊長達が退席していく様を見て慌ててレンを振り返る。だがレンは一護と朔護の納得のいかない表情を前にも笑みを崩さず、にこやかに帰宅を促す。


 

「いや、お前が何言ってんだ。そんな勝手な事出来るわけが」


「そうですか?総隊長殿?」


「いえ、こちらこそお疲れのところ時間を割いて頂きまして、ありがとうございました。
 ・・・どうぞ、今日はごゆるりとお体を休めてください。」


「山本まで何言ってんだよ?」


「何と申されましても、本日の主題である黒崎た、・・一護殿の事情は説明を頂きましたし、これ以上は調査等が終わってから改めてするのが良いかと愚考いたしまして。」


「お前呼び名以外が戻ってるぞ。・・・いや、けど」


「ご心配には及びません。どうぞ、休養なさってください」

 


慌てて抗議する一護だが、レンはにこやかに笑って取り合わず、総隊長に伺いを立てる。問われた方も、レンの意向に逆らう気はないらしくあっさりと返答して一護達に一礼して見せた。そんな山本総隊長の対応に納得いかない一護が食い下がるが、微妙に視線を逸らしつつ意見を変えない山本。


 

「・・・まあ、一護は確かに休ませるべきだろうが、何で俺まで」


「朔護?」


「んだよ」


「大人しく、休んできてくださいね?」


「だか、」


「朔護?」


「・・・・・はい」

 



そして一護の休養には賛成するが、自分まで床に拘束されるのは勘弁だと、文句を言う朔護。対するレンの表情は変わらない。穏やかに微笑んで、真っ直ぐ朔護に視線を合わせる。優しい口調で言うが、朔護の鋭い視線にも全く怯まず押し切っている。


 

「レン!お前が変な事いうから、」

 


そこで山本の攻略を諦めた一護が振り返って言いかける。

 


「一護」

 


が、にっこりと微笑んで、静かに名を呼ぶレンの視線に、一瞬で口を噤まされた。

 


「直ぐに、帰って休んできなさい?」


「・・・・・・・は、い。」

 



空いた間が葛藤を示すが、最終的にレンに逆らえないのは一護も同じだ。朔護同様に良いお返事を返す事しか出来ず、しおしおと退室する。


 

「ところでレン殿、屋敷に帰ると仰いましたが」


「ああ、私達が住んでた屋敷ですよ。三人とも使わなくなるんですから売っても良かったんですけど、どうせならと思って、あの二人にあげたんです。二人は管理人として仮住まいするだけだと言い張ってましたけど。・・・さっき地獄蝶飛ばして連絡したら、準備しておくから帰って来いと返事が来まして。お言葉に甘えさせていただこうかと」
 

「・・・・あ、の。」


「はい?」

 


一護と朔護を見送った山本が思い出したようにレンに確認する。一護達は現世に転生するために尸魂界の籍が無かったはずであるから、休養と滞在に必要な宿の手配が、と考えていたところだったのだ。が、レンの返答に山本の口元があからさまに引きつった。

閉会を告げられて、殆どの隊長は自隊へと足早に帰っていったが、名残惜しげに一護達の事を見送っていた享楽浮竹の同級コンビが再び驚愕に固まった。よもやまさか、山本のそんな表情が見れる日がこようとは。


 

「・・・・山じぃも、人間だったんだねぇ」



京楽が感心しきって呟く。

 


「俺は山じぃの動揺する姿よりも、お三方の力関係に驚いたよ」


「ああ、確かに。・・・人は見かけによらないなぁ」



浮竹の言葉に、京楽も同意した。一見すれば一護と朔護が同格、やや一護が優勢で、二人をレンが立てているように見えたが。いや実際に先ほどまでは朔護もレンも一護を常に立てていた。が、最後の三人の会話で、正しい彼らのヒエラルキーを理解する享楽と浮竹。そして目の前では、まだ山本とレンの会話が続いている。

 


 

「その、お二人とは、まさか・・・」


「あら?二人ともまだ現役で死神続けてるって聞いたんですけど・・ご存知無かったんですか?」


「・・・コクトー先輩と、朱蓮先輩の、ことなんですか?!」


「そうですよ。ありゃ、本当に知らないんですねぇ・・・ってことは二人とも変わってないんだろうなぁ」

 



動揺も顕に問い詰める山本に、レンはのんびりと答える。脳裏には、一護と他数名にしか興味を示そうともしなかった二人の姿が浮かぶ。

一護に対する態度は真摯且つ素直で直向だが、それ以外に対しては何処までも無関心且つ冷酷で非情だった。二人の真の前身を知るレンにはそれも当然の成り行きかとはおもったが・・・一番隊の部下達や他隊の者達との諍いをどれだけ宥めてきたか知れない。まあ、二人のほうは、無駄に諍いを起こすと一護の立場に響くからと無関心を貫いていたのに、一護と親しい二人に嫉妬してつっかっていった者達にも非があるからどちらが悪いとは言えないが。


 

「・・・・存じ上げませんでした。お二人ともとうに退役なさったものとばかり・・・」


「う~ん、多分一護が居ないなら力発揮する必要ない、とか言って手を抜いてたんでしょうねぇ」


「ありえますね。」

 


コクトーと朱蓮が実力を発揮していたなら藍染たちの反逆などありえなかったのに、と一瞬思わないでもなかったが、一護が存在しない護邸の為に、二人が尽力などするわけがない、という思考に打ち消される。その位、あの二人は一護とその家族以外に関心がなかった。一護とレンと朔護以外の者の生死などどうでも良いと本気で考えていたと知っている山本は、二人がたとえ藍染の悪巧みを知った上で放置していたと知っても驚かない。寧ろ納得するだけだ。その事実への恨みを抱くことすら無駄である。そこまで考えた山本は、心持肩を落として深い溜息を吐いた。
目の前で項垂れる山本には悪いが、レンは懐かしい感覚に笑いが抑えられない。

 


「まだ、苦手なんですか?山本隊長」


「当然でしょう?!お二人にどんな目に合わされたとお思いか?!」


「えと、・・・・でも山本隊長にはかなり手加減してましたよ?貴方に本気で何かすれば一護が許さないと分かってましたから」


「手加減のレベルが違います!」


「んん~~、一護の修行のほうが厳しく無かったですか?」


「・・・そ、れは、・・・いえ、一護殿の場合は命の危険まで感じませんでしたし。」


「ああ、コクトーも朱蓮も、ちょっと乱暴ですもんねぇ。そんなに山本隊長に嫉妬してたのかな・・」

 



必死な山本を宥めながら、コクトーたちが事ある毎に山本に厳しく接していた原因を思い浮かべる。

 



「養子とはいえ、一護と形の残る絆をもっていた貴方が羨ましかったんでしょうね。本当に大人気ないことですねぇ」

 


当時護邸中に恐れられたコクトーと朱蓮を、まるで近所の腕白な子供を評するような口調で語るレン。尸魂界中を探しても、そんな猛者は彼女だけだ。

目の前で一護の隣を争う二人の殺し合いを幾度も目撃し、一護達に害意を向ける政敵に対して身の毛もよだつ恐ろしい方法で報復と制裁を行っていたと知り尽くしているはずだが。流石、一護と朔護の育ての親なだけはある。・・・・そういえば、護邸中が恐怖に戦いたコクトーと朱蓮の殺し合いも、一護と朔護の護邸を崩壊させるかと思うような勢いで繰り広げられた盛大な兄弟げんかも、常に浮かべている優しい笑みを浮かべたまま軽くあしらっていた気がする。
・・・レンにとっては本気で子供のじゃれあいと変わらないのかもしれない。更に恐ろしい認識にたどり着いて、脱力するしかない山本が、引きつった表情のまま呻いた。


 

「貴方だけですよ、あのお二人をそんな風に言えるのは・・・」

 

「「・・・・・養子?!」」


「あら?」

 


尊敬と畏怖とが混じる複雑な視線でレンを見返した山本の台詞を、傍らで興味深く恩師の動揺を観察していた二人の叫びが遮った。

 

「京楽さんと浮竹さん、で宜しかったですか?」


「あ、はい。八番隊隊長を務めております京楽春水です。」


「失礼しました、13番隊の隊長を務めさせて頂いております浮竹十四朗と申します。」


「これはご丁寧に、改めまして、碇レンと申します。以後、お見知りおきを」

 


丁寧に頭を下げられて、呑気にレンも名乗り返す。その穏やかな笑みに力が抜けそうになるが、享楽は恐る恐る疑問をぶつけてみた。

 


「あの、一護、殿が、山じぃの、育ての親、というのは・・・」


「ああ、そのことですか」

 


言いづらそうな京楽に首を傾げていたレンが、納得の面持ちで肯く。

 


「ええ、実は一護が隊長を務めていた時の総隊長殿に、子供を育ててくれないか、と頼まれまして。 何でも死神としての能力は破格だが、上手く力の抑制が出来ずに成長が伸び悩んでいる子とかで、・・それが山本隊長だったんですよ。」
 

「え、いや、山じぃを隊長って呼んでたってことは、同僚だったんじゃ?」


「勿論。正式に入隊して、隊長に就任した子を、昔のまま呼べませんもの。就任を機に呼び方を変えたんです。」


「苗字は?」


「ああ、実際に山本隊長をお預かりしてたのは、幼少時から数十年くらいで、入隊前にご実家に籍を戻されてから正式に護邸に入ったんですよ。ねぇ?」



驚愕に目を見張る浮竹に答えながら、山本を振り返って確認するレン。

 


「は、その節は、大変お世話になりまして・・・」


「私は何もしてませんよ?貴方の親はあくまで一護でしょう?」


「何を仰いますか。朔護殿とレン殿も、私の修行や生活を見てくださったではないですか。」


「その位は、同じ家で暮らしているんですから、当然です。・・・口調が戻っていますよ?」


「ご容赦くだされ。」


「まあ、公的な立場以外のときでしたら構いませんけど。・・・・伯母さんって呼んでくれても良いのに。」


「勘弁してください!!」


「「伯母?!」」


「京楽さんも浮竹さんも驚くところですか?一護は私の弟で、山本隊長はその子供なんですから、正しい呼称だと思いますけど。」

 


律儀に頭を下げる山本に、困ったように笑ったレンが、言った台詞に再び驚愕の声をあげる京楽と浮竹。だがこの場合は山本の悲鳴交じりの抗議のほうが正しいだろう。・・・そんな幼い外見で伯母呼びは・・


 

「「無理でしょう」」


「ええ?・・・山本隊長も、大きくなったら呼んでくれませんでしたし・・・」


「反対なら兎も角」


「レン殿を山じぃが伯母さんとは言えないよね」

 



声を揃えた京楽たちに心持不満そうな視線を返すレンだが、浮竹も京楽も改めて駄目だしをする。まあ、外見を見れば100人中100人が同意する意見ではある。本人の希望は却下するしかない。

 


「・・・ああ、長らくお引止めして申し訳ない。レン殿、どうぞ貴方もお帰りください。一護殿と朔護殿がお待ちでしょう」

 


気を取り直すように姿勢を正す山本がレンに帰宅を促す。

 


「ありがとうございます。此方こそ、長話につき合わせてしまってごめんなさいね?
 京楽さんと浮竹さんも、お時間をとらせてしまって」


「いえ、楽しいお話を聞けましたから」

「そのような事はありません。興味深いお話を聞かせていただきまして」

 


にこやかに暇の挨拶を交わすレンと山本達。
そしてレンが退室しようとするのを見送っている時、レンが、ふと困ったように首を傾げた。

 


「あらら」



「レン殿?どうか・・・」

 



レンの様子に、声を掛けようとした山本の言葉を遮って、ドッカーン、と耳を劈くような爆音が響いた。途端に緊張が走る室内。素早く立ち上がった京楽と浮竹が部屋を出ようとする。


 

「レン殿、お下がりください!」


「・・・良い、京楽も浮竹も待て。・・・レン殿、申し訳ありませんが」


「は?何言ってんの山じぃ!」



レンを下がらせて背に庇おうとする浮竹だが、山本に反対に止められてしまう。
怪訝な面持ちで振り返った京楽が見たのは、苦渋に満ちた表情で、レンを見上げている山本だった。対するレンは、呑気に爆音の方向を眺めて苦笑を零している。


 

「本当に、変わってないなぁ。」


「・・・・お願いですから、微笑ましいものを見るような目で見るのを止めてください。
 早く止めていただきませんと、瀞霊廷が崩壊します!」


「そうですねぇ、久しぶりの再会だから気を利かせた積りだったんですけど。・・久しぶりだから自制ができなくなってるのかなぁ。」


 

悲鳴交じりの山本の台詞に、のんびりと呟いて爆音の方向に足を向けるレン。

 


「じゅあ、四人を止めてきますね。一応屋敷の結界からは出てないようですけど、念のため他の人は近づけないように。」


「は!よろしくお願いします。」


「・・・では、また後ほど」

 


 




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